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この記事では、
- 何度受験しても簿記1級に受からない!
- 簿記1級の効率的な勉強方法を知りたい
- 簿記2級を取れたので、簿記1級も受験するつもりだ
といった方向けに、簿記1級に2回落ちた末に合格できた私が考える効率的な勉強方法を紹介します。
結論から言うと、簿記1級については、予備校を利用した方がいいです。
実際、私は独学で2度失敗した後、予備校を利用して最終的に合格することができました。
独学に比べ費用はかかってしまいますが、簿記1級レベルの難易度になると、一部の優秀な方は除き、ノウハウを蓄積している予備校の助けがやはり必要になってくると思います。
以降、私自身の3回の受験経験における反省も混ぜながら、簿記1級の勉強方法を解説していきます。
【筆者について】
英語圏海外駐在経験5年の経理マンです。
【経歴・資格など】
・TOEIC500点から945点までスコアアップし、20代で海外赴任の機会を得る。
・簿記1級は受験3回目で何とか合格。
日商簿記1級試験について
1.簿記1級の試験内容
簿記1級は、日商簿記検定を主催している日本商工会議所が「極めて高度な」と宣言する簿記検定の最高峰です。
※日本商工会議所は日本経済団体連合会、経済同友会と並ぶ「経済三団体」の一つです。
試験は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4つの科目で構成されます。
試験時間は商業簿記・会計学で90分、工業簿記・原価計算で90分の合計180分と3時間の長丁場になります。
●「商業簿記」は、購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算 する技能で、企業を取り巻く関係者(経営管理者・取引先・出資者等)に対し、適切、かつ正確な報告(決算書作成)を行うためのものです。
●「工業簿記」は、企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能で、経営管理に必須の知識です。
※出題内容はこちら。
出典:日本商工会議所ホームページ
また、試験内容自体も下記の通り、レベルの高いものとなっています。
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。
出典:日本商工会議所ホームページ
2.簿記1級の合格率
簿記1級の合格基準は次の通りです。
出典:日本商工会議所ホームページ
合計で70%以上の正答が求められ、かつ、各科目の得点が40%以上という条件となっています。
つまり、もしある科目で大失敗して得点率が40%未満となった場合、たとえ合計が70%以上であっても不合格になってしまうという厳しい試験です。
なお、実は70%以上の正答率というのはあくまで目安であり、実際は合格率が10%前後になるように調整される相対試験と言われています。
2016年度から現在までの日商簿記1級の受験者データ及び合格率は下記の通りです。
合格率が10%前後になるようにきれいに調整されているのが分かります。
出典:日本商工会議所ホームページ
3.簿記1級に合格するメリット
合格するメリットは、
- 会計に詳しいものとして職場で評価される。
- 転職活動時に会計知識の高さを評価される。
- 税理士試験の受験資格が与えられる。
といったところになると思います。
会計知識があることを客観的に示せることで、現在の職場においても、転職をする場合においても、キャリア上のチャンスを広げてくれる資格です。
簿記1級 受験体験記・勉強法
話を始める前に、そもそも何故簿記1級を受験しようと思ったのかを書きたいと思います。
理由は次の通りです。
何気に3つ目が一番の理由だったかもしれません笑
それでは、受験体験記を開始します。
1.受験1回目
①勉強方法・期間
・勉強スタイル
→予備校は利用せず、独学を選択しました。理由は次の通りです。
・テキスト・問題集
→簿記2級の勉強時に使った「サクッとうかる」シリーズを選定しました。
・勉強時間
→学習期間は6ヶ月、総学習時間は約500時間です。
平日は定時後にカフェなどで1〜2時間、週末も少なくとも10時間は勉強に当てました。
②受験結果→見事に不合格
本番では、時間が全然足りませんでした。
正直、今思えば、当時のレベルではいくら時間があっても合格は無理だったと思います。
終わった瞬間に不合格を確信するような出来でした。
③敗因
敗因は次の通りです。
そもそも知識全般の定着自体が怪しかった気もします。
一言で言えば、完全なる勉強不足というやつです。
2.受験2回目(リベンジ①)
1回目でボコボコにやられたため、しばらく勉強する気が起きませんでした。
しかし、結果が出て不合格が判明した後で、リベンジの気持ちが出てきたため、再度受験を決意しました。
①勉強方法・期間
・勉強スタイル
→2回目の受験時も予備校は利用せず、引き続き独学を選択しました。
ただし、今回は前回の反省から、問題演習をメインに学習しました。
1回目の受験で内容は大まかに理解できていたので、問題集にはスムーズに入ることができました。
問題演習で行ったことは次の通りです。
・テキスト・問題集
→1回目から引き続き「サクッとうかる」シリーズを使用しました。
過去問題集は大手予備校から出ているものを利用しました。
・勉強時間
→学習期間は5ヶ月、総学習時間は約450時間です。
学習期間は1度目に比べてやや短くなってしまいましたが、前回同様、平日定時後に1〜2時間、週末も10時間ほど勉強に当てました。
②受験結果→不合格
1回目に比べればしっかり準備はできていて、手応えもありました。
ただ、やや時間が足りず、全問回答することはできませんでした。
試験終了後は、もしかしたらという期待もありましたが、残念ながら結果は不合格でした(涙)
③敗因(?)
問題演習を主軸とした勉強の方針は間違っていなかったと思います。
一番の誤算は、受験日直前にまさかの海外出張が入ったことでした。
期間は1週間で、まさかの試験の2日前に日本に帰国するというスケジュール。。苦笑
しかも行き先が欧米だったのでかなりの時差ボケ状態で試験に臨むことになりました。。
出張中も移動中の飛行機内で勉強するなどしましたが、無念の敗退となってしまいました。
3.受験3回目(リベンジ②)
2回目の結果がわかるまでは前回同様特に勉強せず、というかやる気が起きずでした。。
ちなみに、2級と3級は2月・6月・11月の年3回開催されますが、何故か簿記1級は6月・11月の1年に2回しか開催されません。
私の場合、受験1回目が11月試験、受験2回目がその次の6月試験でした。3回目は、受験2回目と同年の11月にも受けることはできたのですが、2連続で落ちた精神的ダメージにより見送りました。。
その後も仕事が忙しいことを言い訳に次の6月試験も申し込みませんでした。
結果、なんと期間が1年間も空いてしまいましたが、期末決算期が終わったのを気に次の11月試験に向けて勉強を再開することになります。
①勉強方法・期間
・勉強スタイル
→ついに予備校を利用することを決意しました。
ただし、全部込みのフルパックではなく、簿記1級学習経験者向けの直前対策講座(通学)に申込みました。
そのため、フルパックに比べると費用は半分くらいに抑えることができました。
最寄駅にあり、友人が実際に利用して簿記1級を取得していた某有名予備校を利用しました。
予備校を利用してよかった点は次の点です。
・テキスト・問題集
→直前対策講座でやった問題を2〜3回程解き直しました。
試験直前には、別途予想問題集も購入し、本番通りの時間制限で解くこともやりました。
・勉強時間
→学習期間は6ヶ月、総学習時間は約500時間です。
予備校の直前対策講座が約100時間、残りは自習時間です。講座でやった問題を2〜3回程解き直すと、少なくともこれくらいの時間になってしまうと思います。
②受験結果→ついに合格!💮
試験終了後はやれることはやったという感じでした。
予備校の回答速報で解答を確認したところボーダー上と思われましたが、結果発表で合格がわかった時は本当に嬉しかったです。
職場の上司に報告したところかなり褒めてもらうことができました。
③勝因
実践的な演習を数多くこなしたことが良かったと思います。
簿記1級は時間との戦いでもありますので、本番のような緊張感を予備校で擬似体験することは合格可能性をグッと高めてくれました。
そして、簿記1級は合格率が10%前後になるように調整される相対評価ですので、基本的な問題を絶対に落とさないことが重要です。
同時に、正答率が低そうないわゆる捨て問を見抜けるようになる必要もあります。
捨て問を捨てるのは怖いですが、勇気を持って切るしかありません。この判断の感覚も、多くの問題に触れることで身につきました。
また、各科目の得点が40%以上という合格条件を考慮して、捨てる分野や不得意分野を作らないようにしました。
簿記1級は、一つの科目が壊滅するだけでそのまま不合格になってしまう試験なので、ヤマは張らない方が良いと思います。
まとめ
まとめになります。
結局、簿記1級はどのように勉強するのがベストなのかということですが、合格までに2回落ちた私の所見は次の通りになります。
- 正直言って、簿記1級に関しては早く予備校を頼っていれば、もっと早く合格できたと思う
- 簿記1級の知識をインプットするところまでは独学でもありだが、問題演習については、大手予備校の問題演習を含む講座(通学)を受講する価値は高い
簿記2級は独学でも受かる人が多いと思いますが、同じノリで簿記1級に取り組むと私のように痛い目を見る可能性があります。
しかし、しっかり合格レベルまで勉強した上で受け続ければいずれは合格できる試験だと思います。
予備校や市販の教材を駆使して、合格まで諦めずに頑張ってください。