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この記事では、
- いずれ海外赴任したいと思っている
- 海外赴任の辞令を既に受けていて、海外赴任について調べている
- 単純に海外赴任がどういうものなのか気になる
といった方向けに、2ヶ国・計5年の駐在経験者が海外赴任のメリット・デメリットを解説していきます。
最近、日本人の内向き志向がよく話題になります。海外赴任したくないという方も結構いるようです。
ですが、海外赴任を経験した身としては、給料も増え、仕事上の裁量も増える海外赴任は絶好の成長の機会であると断言できます。
ただ一方で、海外赴任にはデメリットもあります。
最悪、人生設計が狂ってしまうケースもありますので、デメリットについてもきちんと検討する必要があると思います。
海外赴任の希望がある方、これから海外赴任される方、海外赴任になんとなく抵抗を持っている方の参考になれば幸いです。
【筆者について】
英語圏海外駐在経験5年の経理マンです。
【経歴・資格など】
・TOEIC500点から945点までスコアアップし、20代で海外赴任の機会を得る。
・簿記1級は受験3回目で何とか合格。
・海外赴任先は、欧米と東南アジアの2ヶ国。
海外赴任のメリット4つ
1.給料が増える・手取りも増える
目に見えるメリットとしては、やはり、海外赴任手当が付くことで給料が増えるという点です。額面でいうと、日本の給料の1.5〜2倍の金額になるのが一般的のようですね。
もし、発展途上国などで治安・住環境に懸念のある国に赴任する場合は、別途「ハードシップ手当て」なるものが加算されますので、給料は更に増えます。
また、給料の額面だけでなく、手取りも増加します。
なぜなら、赴任先国での所得税等は会社が負担してくれるというのが一般的だからです。これは、国によって税率も違いますし、その点を考慮して、そのような対応を取っている会社が多いものと思われます。
残念ながら(?)、健康保険等の社会保険料は引き続き給与から天引きされますが、それでも、日本で働いている時に比べて10%くらいは税率が下がる印象です。
日本に住所がないため、住民税の支払いもなくなっています。
また、その他の福利厚生としては、住居についても会社負担で日本では住めないような広い家、良い立地に住めることが多いです。
安全上の観点からも、通常はセキュリティがついているようなしっかりしたところになると思います。
出典:ガルベラ・パートナーズ パートナーズ
2.語学力がアップする
当たり前ですが、海外で働くことで語学力はかなり上がります。
仕事で外国語を使う機会が圧倒的に増えますし、普通に生活して行く上でも外国語を使わないと生きていけませんので、自然と上達して行きます。
ただ、注意しないといけない点があります。
現地の日系企業には、少なからず日本語が堪能な現地スタッフがいることが多いです。そういった方に甘えすぎてしまい、何年経っても外国語が上達しないという残念な人がちらほらいます。そうすると、日本からゲストが来た時にも全く対応ができず、白い目で見られる羽目になります。
そうならないよう、かつ、現地のスタッフと良好な関係を築けるよう、少なくとも最低限の現地語はマスターする必要があります。
海外に送り出した会社側も、 駐在員にはそれを期待しているはずです。
3.異なる文化を学ぶ・体験することができる
手前味噌ですが、異なる文化を持つ人たちと交流することで、自分の視野を広げることができます。
現地の方々と交流して海外から見た日本がどのように映るのかを知ることで、日本の良いところ・良くないところが見えてくると思います。
よく、「日本の常識は世界の非常識」「日本はガラパゴス」等々、散々な言われ方をしますが、実際そう思うことは多いです。逆に、日本のここは素晴らしい!ということにも気付くことができました。
もちろん異なる文化は旅行や書籍等でも学ぶことはできるのですが、年単位で長期で過ごす事でしか見えてこないことがあります。
仕事上の責任は増えるので、大変ですが、会社のサポートを受けながら、自分の視野・経験を広げることができるのは海外赴任ならではのメリットだと思います。
4.今後のキャリアに有利に働く
海外赴任を経験すれば、世間からはグローバルな人材と認知されます。
今の企業に残るにしても海外事情を知る貴重な人材として評価され、転職するにしてもグローバル人材として市場で高く評価されますので、いずれにしても今後のキャリアにプラスに働きます。
下記は少し古い経済産業省のデータですが、企業が求めていることは、まさに海外駐在員が日々こなしている業務だなぁと思いますね。
出典:経済産業省
海外赴任のデメリット3つ
1.現地の衣食住に適応できない場合、非常に辛い
おそらく世界中のどこに赴任になったとしても、程度の差こそあれ、衣食住について、日本が世界的に非常に恵まれていることが実感できるでしょう。
現地の衣食住に適応できない場合、ただそれだけで肉体的・精神的に疲弊します。
特に「食」は地域にもよりますが、本当に合わない場合、非常に辛いです。現地の水が合わず、お腹を壊し続けたり、現地の食の風味が合わずにご飯が食べられず、激ヤセしてしまう人もいます。
胃腸が弱いという自負のある方は、赴任先の衛生状況が自分に耐えうるレベルであるのか、海外赴任を受け入れる前に必ず確認するべきです。(胃腸は強い!という自負がある方は、どこでも大丈夫です)
また、最初の数ヶ月は右も左もわからないため、精神的に不安になったり、体調を崩したりということは普通によくあります。
ただし、これが半年以上の長期間に渡って継続する場合、衣食住のどれか、もしくは全てで適応できていない可能性が高いと思います。もちろん、仕事上のストレスが影響している可能性もあります。
海外赴任中は、ともすれば孤独になりやすく、自分だけで抱え込みがちになりますが、辛い時には同僚でも家族でも誰でも良いので、相談するようにしましょう。
参考記事
海外赴任者のメンタルヘルス対策
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構
2.同僚・出張者・取引先とのお付き合いが多い
駐在員の世界は非常に狭いです。必然、駐在員同士でゴルフに行ったり、食事に行ったりすることが多くなります。
このとき、ゴルフができなかったり、お酒が飲めなかったりすると、場合によっては「付き合いの悪いやつ」とのレッテルを貼られ、上司や同僚との関係性がこじれてしまう可能性があります。
出張者が来た場合も同様に、ゴルフや飲み会にお付き合いしなければいけないことがそれなりにあります。これにより、貴重なアフター5や休日が潰れます。
また、取引先との会食やゴルフもあります。こちらも貴重なアフター5やプライベートの時間が潰れます。
会社により程度はあると思いますが、ゴルフと接待は海外駐在員には必須と言っても良いスキルです。
正直、こういったお付き合い系は面倒臭いのですが、もう「海外駐在員の仕事の一部」と割り切るべきです。
どうせゴルフや接待をしなければいけないのなら、開き直って、人脈を広げてやる!くらいの意気込みで積極的に参加して行く方が健康的です。
逆に、こういったお付き合い系が割り切れないという方は、おそらく苦しい思いをすると思いますので、海外駐在に向いていないかもしれません。
確かに仕事とは直接的には関係ないのですが、一般的な風潮として、こういった付き合いができない人は評価されないという雰囲気が残念ながらあるような気がしています。
3.自身も含めた家族の人生設計に大きな影響が及ぶ
結婚している場合や既に子供もいる場合、家族に帯同してもらうかどうか決めなければなりません。
もし、配偶者が働いている場合、駐在について来てもらうとなると、配偶者は基本的に仕事をやめることになり、折角の今までのキャリアが断絶してしまうことになります。
それでは単身で、という話になりますが、やはり家族なのに別々で暮らすというのは原理原則に反しているように思います。とは言え実際は単身で来ている方も結構多いんですよね。
また、子供が幼稚園や小学・中学・高校生の場合は、学校をどうするのかという話になります。
当然、子供の年齢や学年、性格、日本人学校の有無等によっても結論は変わって来るでしょう。最近は日本人学校が現地にあっても、敢えて現地校に入れる親もいるようですが、それが正しいかどうかはすぐにはわかりません。
いずれにせよ、事前に家族でしっかりと話し合うことが重要です。
参考記事
海外転勤で夫婦関係はどうなった?知られざる駐在妻のリアル【駐妻白書2020】
出典:CLASSY
また、独身の場合も、海外赴任のタイミングによっては結婚のタイミングを逸してしまう可能性もありますので、ご注意ください。
まとめ
まとめになりますが、海外赴任のメリットは次の通りになります。
逆に、海外赴任のデメリットは次の通りになります。
前述のように、海外赴任は人生計画に多大な影響を及ぼしますので、もし赴任を打診された際にはデメリットも十分に考慮の上、決断をされるべきと思います。
それでも、海外転勤は会社から給与を貰いながら語学力も上げることができる素晴らしい機会です。
もちろん責任も増えて大変ですが、自分の裁量が日本いた時よりも大きくなるためやりがいも感じられます。
海外赴任を経験した身からすると、もし海外赴任できるチャンスがあるのでしたら、積極的に狙っていって欲しいと思います。