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同じ会社に長く勤めることのメリット4つ・デメリット5つ

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この記事では、

  • 転職が当たり前になってきている中で、転職をしないことに漠然と不安を感じている
  • 今の会社が自分に合っていると思うので長く勤めるつもりだが、やはり多少の不安はある
  • 転職が多めで同じ会社に長く勤めたことがなく、長く勤めた場合にどうなるのか知りたい

といった方向けに、同じ会社に長く勤めることのメリット・デメリットを解説していきます。

私は今の会社(国内数千人規模)に新卒で入社して10年以上勤務してきました。
冷静に考えてみると10年以上という期間は、小学校に入学した子供が大学生になるという程の長い期間です。
これだけの期間を同じ会社で過ごしていると、さすがに長く勤めることの良い点・悪い点がかなり見えるようになってきました。
途中、本気で会社を辞めようと考えた時期もありましたので、何事もなかったわけではありません。

また、妻は3〜4年毎に転職をしていますので、そうした事例との比較もしていきます。

【筆者について】
英語圏海外駐在経験5年の経理マンです。

【経歴・資格など】
・TOEIC500点から945点までスコアアップし、20代で海外赴任の機会を得る。
・簿記1級は受験3回目で何とか合格。
・現在、新卒で入った会社に10年以上勤務中も、一時期転職活動を行っていた。
 妻が転職2回で年収を300万上げた強者であることもあり、転職事情にも知見がある。

同じ会社に長く勤めるメリット4つ

1.年収を着実にあげられる

誰でも知っているように日本の賃金体系は「年功序列」です。
成果主義が導入されて久しいですが、実態としてはほとんどの日本の会社が年齢の高い人の給与の方が高くなっています。

年齢別の平均年収一覧

出典:CAREER PICKS 【最新版】年齢別の平均年収一覧(全年代対応)

これは若い人からみたらたまったものではないと思うかもしれませんが、逆に言えば、同じ会社に長く勤めることで自分もその恩恵を徐々に受けられるということです。
色々と批判されることも多い年功序列ですが、コツコツ長く勤めることで給与が上がるというのは、日本人の気質にあった制度であることも否定できないと思います。

ただやはり年功序列の最大の欠点として、頑張っても頑張らなくてもあまり変わらないということがあります。

評価がそれなりでも勤続期間が長くなれば自動で給与が上がっていくシステムなので、「無理に頑張らなくてもいいや」という感情を起こしやすいです。
実際、私の会社でも頑張っても頑張らなくてもそこまで給料に差がついていないと感じます。

一方、比較的給料の高い外資系企業では継続してパフォーマンスを出していく必要があります。
低評価が続く場合は、最終的にクビになります。日本のような窓際族としてのうのうと生きていくことは難しいでしょう。

日本企業では一度入社してしまえば、余程のことがない限り(犯罪を犯す、会社のお金を横領する、会社が倒産する、業績不振でリストラ等)、解雇されることはあり得ません。

前述の通り、勤続年数に従って給与が上がっていきますので、人生プランを立てやすいのも良い点だと思います。

2.長く勤めるに従って仕事がやりやすくなる

長年同じ会社で働くことによって、業務をより把握できるようになるため、仕事が楽になっていきます。

まず、自部署について。
業務を把握できることで、仕事のペースを自分でコントロールできるようになります。
経験済みの業務が増えることで、対応も迅速に行えるようになります。
また、もし対応方法がわからなくても、誰に聞いたら解決するか把握できているので、少なくとも解決の糸口にはすぐに辿り着けるケースが多いはずです。

また、関係部署についても同様です。
誰がその関係部署のキーマンか把握できていると思いますので、すぐに調整に動けるはずです。
また、仕事のペースには関係部署の動きも関係してくるケースもあると思いますが、その辺りも把握できるようになるので、問題ないでしょう。

あとは、単純に知り合いが増えるので、何かあったときに動きやすくなるというのもあります。

10年以上勤めて、部署をまたぐ社内活動や飲み会にある程度参加していれば、少なくとも一人はどの部署にも知り合いができているはずです。
意外にこういう関係が仕事を進めるときに効いてきたりするので、あまり馬鹿にできないんですよね。

3.高評価を積み上げていけば出世の道が開ける(かも)

これは年功序列と関連が深い部分かもしれませんが、日本企業ではまだまだ新卒で入社した人の方が中途入社の人よりも出世しやすいということがあると思います。

おそらく理由としては、会社への忠誠度や会社への理解度が勘案されてのことと思います。

ただ、最近は出戻り社員を受け入れる企業も増えてきているようですので、これは今後変わってくる可能性があります。
パナソニック、キリン、KDDIといった有名企業でも始まっていますので、日本で転職が当たり前になる過渡期の段階として更に浸透していくかもしれません。

ちなみに私の勤める企業でも同様の制度が設立されています。

4.もらえる退職金が増える

勤続年数が長くなるともらえる退職金の金額が増えます。

下記データの通り、勤続年数が10年未満と短い場合は、勤務年数自体が多くないということもありますが、係数計算による調整で退職金が少なくなるように設計されている会社が多いので、思いのほか小額となります。

勤続年数15年、20年あたりで一気に金額が大きくなっているのがわかりますので、退職金金額という観点からのみ考えれば、できればこの辺りまでは勤続した方がお得ということになりそうです。


大企業大卒の退職金の相場額

中小企業大卒の退職金の相場額

出典:転職Hacks 2021年更新:退職金の相場額まとめ|勤続年数・退職理由別に解説

同じ会社に長く勤めるデメリット5つ

1.会社内での自分の評価が低くなってしまった場合、挽回が難しい

一度低い評価が固定されてしまうとそこからの挽回は非常に難しいです。

自分も評価をつける側の立場になって分かったのですが、どうしても評価は前回の評価を引きずってしまいます。
例えば、前回D評価だった部下に、いきなり2ランク上のB評価をつけるのは気持ち的に引っかかるものがあります。それ以前に低い評価をつけた時点で、その人にはあまり期待していないというのが正直なところです。

また、大抵の会社では30代半ばくらいには出世ルートに入っているかいないかがなんとなく分かってきます。
評価を得られず、出世ルートに乗っていないのであれば、今から頑張っても出世ルートに乗っている同僚に追いつける可能性はあまり高くありません。

このように評価が得られていない場合、心機一転、新しい環境に挑戦してみることも一つの案になると思います。
実際、私の妻は評価されていない状況から転職して、新しい職場で高評価を得ることができました。(結果、年収300万円UP…!)

2.急な年収増は期待しづらい

特に日本企業では年功序列の賃金体系を取っているため、年収を急に増やすことは難しい傾向があります。

年収を一気に100万円以上上げたいということであれば、転職を視野に入れる必要が出てきます。
うまくいけば前述の私の妻のように転職により数百万円年収をアップできます。

転職以外の方法として、機会はそう多くありませんが、大抜擢人事や海外赴任は年収の急上昇をもたらしますので、チャンスがある方は狙っていく価値があるでしょう。

ただ、最近では勤務年数ではなく、スキルを評価して新卒であっても高年収を提示する日本企業(富士通・NEC等)も出てきています。
今後はこうしたスキルで年収が決まる動きが活発になってくるかもしれませんので、注視していく必要があります。

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3.惰性に陥りやすい

同じような業務を続けていると気持ちの面でどうしても惰性が生じてしまいます。
ある程度の期間を同じ会社で働いていると、経験済みの業務ばかりとなって日々の新しい発見が無くなってきます。
同時に新しい知識を得ようとするモチベーションも失われていってしまいがちです。

特に日系企業で年功序列となっていると、頑張っても頑張らなくてもあまり評価に差が生じないので、この傾向が強くなってしまう環境にあると思っています。

最新の知識をアップデートしたり、業務に関連する資格の勉強をすることで、惰性にならないようにしなければいけません。

4.面倒な人間関係に巻き込まれる(かも)

一緒にいる時間が長くなるとトラブルが発生する可能性も高くなります。
もちろん、ずっと仲が良くて雰囲気も良いという職場もあると思いますが、局所的には火種があったりするものです。

上司との関係、同僚との関係、部下との関係など、一度悪い人間関係が固定してしまうと、毎日ストレスフルな環境で仕事をしなければならなくなります。

5.終身雇用がいつまで維持されるか不透明になってきている

現在大企業と呼ばれるような企業でも早期退職募集等のリストラ策が取られるようになってきています。

参考記事
日経新聞 早期退職・希望退職 記事一覧 出典:日本経済新聞

日本企業の良さとは、終身雇用制度、年功序列賃金にありました。
企業が社員の面倒を一生見ることを約束する代わりに従業員は企業という家族の一員として頑張るという構図でした。

しかし現在は業績上は問題がない企業であっても、人件費の削減もしくは社員の年齢構成の調整を目的として、リストラを行うようになってきています。
余剰人員を抱えている企業が、割増の退職金を支払ってでも一部の従業員にやめてもらいと思っているということだと思います。

今後はITの発展に伴って更に必要な人員が減ることが見込まれていることから、この動きは加速していく可能性が高いと考えられます。

今の会社で頑張ったとしても、リストラ等で会社を去らなくてはならなくなったときに自分のスキルが他の会社では全く使えないことに気づいても遅すぎです。

そういった意味でも、日頃から別の会社でも使えるようなポータブルなスキルを身に付けるという意識を持っておいた方が良いでしょう。

能力の証明として、実務を極めるのはもちろんですが、専門性を証明できる資格があるとよりわかりやすいと思います。
英語であればTOEICや英検、私のような経理であれば簿記検定といった実務に関連する資格が好ましいと思います。

ポータブルスキルの概要

出典:厚生労働省 “ポータブルスキル”活用研修テキスト より抜粋

まとめ

まとめになりますが、同じ会社に長く勤めるメリットは次の通りになります。

逆に、同じ会社に長く勤めるデメリットは次の通りになります。

このように長く同じ会社に勤めることには、良い点も悪い点もあります。

漠然と今の企業に勤め続けたり、安易に転職に走ってしまうのではなく、メリット・デメリットを理解して比較した上で行動を決めた方が、良い結果・自分が納得できる結果につながると考えます。

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