※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告を利用しているものがあります
この記事では、TOEIC900点ホルダー・英検準1級ホルダーの私が、
・TOEICスコアは英検とどのように対応しているのか
・そもそもTOEICと英検のテストの違いとは何か
・TOEIC900点は英検何級に値するのか
といった疑問について、客観的な指標と実体験を踏まえて解説しています。
結論から言うと、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)という客観的な指標を用いた場合のTOEIC・英検の対応は次の通りになります。
また、私の経験と個人的な見解を踏まえると次の通りになると考えています。
【筆者について】
英語圏海外駐在経験5年の経理マンです。
【経歴・資格など】
・TOEIC500点から945点までスコアアップし、20代で海外赴任の機会を得る。
・英検は準1級を保有。
1.TOEICスコアと英検 対応表
CEFRを基準とした比較
TOEICと英検のスコアを客観的に比較するために、CEFR(CommonEuropean Framework of Reference for Languages)という基準を使います。
このCEFRは、ヨーロッパ言語共通参照枠と呼ばれるもので、外国語の学習者の習得状況を示す指標としてヨーロッパで作成されたガイドラインになります。
ヨーロッパ言語共通参照枠(ヨーロッパげんごきょうつうさんしょうわく、英語: Common European Framework of Reference for Languages:CEFR(セファール)あるいはCEF、フランス語: Cadre européen commun de référence pour les langues:CECR)とは、ヨーロッパ全体で外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドライン。1989年から1996年にかけて欧州評議会が「ヨーロッパ市民のための言語学習」プロジェクトを推進した際に、ヨーロッパ言語共通参照枠がその中心的な役割となった。ヨーロッパ言語共通参照枠の目的は、ヨーロッパのすべての言語に適用できるような学習状況の評価や指導といったものの方法を提供することである。
出典:Wikipedia ヨーロッパ言語共通参照枠
TOEIC、英検共にこのCEFRとの対応表を作成しており、それを元に対応表を作成すると、次のようになります。
CEFRレベル | TOEIC | 英検 | 英検の級別目安英単語数 |
---|---|---|---|
C2 | |||
C1 | 945点以上 | 1級 | 約10,000〜15,000語 |
B2 | 785〜940点 | 準1級 | 約7,500語〜 |
B1 | 550〜780点 | 2級 | 約5,100語〜 |
A2 | 225〜545点 | 準2級 | 約3,600語〜 |
A1 | 220点以下 | 3級以下 | 〜約2,100語 |
上記図は下記資料及びウェブページより著者が集計・作成。
出典:
・各試験団体のデータによるCEFRとの対照表 文部科学省資料より
・IIBCホーム >【公式】TOEIC Program 公式】> TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表
・英検1級英単語のレベルと単語力テスト
・英検準1級英単語のレベルと単語力テスト
・英検2級英単語のレベルと単語力テスト
・英検準2級英単語のレベルと単語力テスト
・英検3級英単語のレベルと単語力テスト
ウェブサイト「英語の友」より(運営者:旺文社)
TOEICスコアには多少の誤差がありますが、
というのが客観的な目安となるでしょう。
2.筆者の経験による比較
前項のデータはそれぞれの運営主体が出しているものですので、概ね間違いはないと思います。
しかし、私が英検準1級を取得したときの経験からいうと必ずしも全ての人には当てはまらないのではと思っています。
何故このような事態が生じるかと言いますと、やはり、TOEICと英検の試験内容と傾向が大きく異なっているからです。
以下、上記試験内容(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)の観点から、よく比較として目にする「TOEIC800点 vs 英検準1級」「TOEIC900点 vs 英検1級」について解説していきます。
TOEIC800点 vs 英検準1級
結論から言うと、英検準1級の方がTOEIC800点よりも難しいです。
実際、私が英検準1級の勉強を始めた際のTOEICスコアは860点でしたが、当初過去問を解いてみたところ、英検準1級の合格水準ギリギリでした。(CEFR基準では、英検準1級はTOEIC785点以上)
1.リーディング
【判定:英検準1級の方が難しい】
英検準1級では最初のセクションで、語彙を問う問題が25問出されるのですが、正直TOEICに必要な単語レベルでは全く太刀打ちできません。
(英検のウェブサイトに過去問が載っていますので、興味がある方はご覧になってください)
単語については、単語帳を購入してがっつり対策する必要がありました。
ただ、単語問題以外の読解や穴埋めはそこまでTOEICとの差は感じませんでしたので、単語問題さえカバーしてしまえば、TOEIC800点台の方は普通に合格できるレベルだと思います。
2.リスニング
【判定:特に差はなし】
英検準1級のリスニング問題では、TOEICのPart3・4に似たような感じの問題が出題されます。
個人的にはそこまで難易度の差は感じませんでしたので、引き分けと判定しました。
3.ライティング・スピーキング
【判定:英検準1級の方が難しい(TOEICでは出題なし)】
英検にはTOEICにはない、ライティングとスピーキングというアウトプット試験が含まれます。
ここについてはTOEICでは全く対応する必要がないので、ここは英検用に対策を立てる必要があります。
4.総括
【総合判定:英検準1級の方が難しい】
私はTOEIC800点台→英検準1級の流れでしたので、単語量の上乗せとライティング・スピーキングの対応をしなければならず、TOEIC800点よりも英検準1級の方が難易度が高いと判断しました。
逆に、英検準1級からTOEICに移行した場合、範囲がリーディング・リスニングのみとせばまりますので、きちんと対策をすれば早々に800点以上は取れると思います。
最高峰対決 TOEIC900点 vs 英検1級
結論から言うと、英検1級の方がTOEIC 900点よりも難しいです。
これは前述のCEFRのテーブルからも客観的に示されていると言えます。
実際、私はTOEIC945点ですが、過去問を解いてみたところ、かなり苦戦しました。
主にリーディングの単語パートが原因です。
1.リーディング
【判定:英検1級の方が相当難しい】
英検1級では英検準1級同様、最初のセクションで語彙を問う問題が25問出されるのですが、このレベルがめちゃくちゃ高いです。
英検1級合格のためには1万〜1万5千の語彙量が必要と言われています。
TOEIC900点レベル・英検準1級レベルで1万弱の語彙があるとされていますが、ここからプラス5千の上乗せが必要ということになりますので、対策なしではとても太刀打ちできません。
専用の単語帳で語彙力を補強する必要があります。
ただし、単語問題以外の読解や穴埋めはTOEIC900点レベルの能力があれば、基本的には対応可能なレベルです。
ライティングへの時間配分等考慮する必要がある点もありますが、時間的にはTOEICよりも余裕を持って望めますので、焦らずにやれば得点できると思います。
2.リスニング
【判定:英検1級の方がやや難しい】
TOEICと比べてリスニング本文が長いです。
どちらかというと処理能力を求められるTOEICと違い、英語を聞いて本当に理解する能力が求められる試験内容と思います。
ただし、こちらもリーディングと同じで、TOEIC900点レベルの能力があれば、しっかり対策することで合格レベルの得点を取ることは可能だと思います。
3.ライティング・スピーキング
【判定:英検準1級の方が難しい(TOEICでは出題なし)】
ライティングもスピーキングも、社会的な課題に対して自身の意見を述べることが求められます。
(例:伝統は常にまもられるべきか?オリンピックは商業化されすぎか?)
正直、日本語でも答えるのが難しいものが出るときもあります。
日々英語で自分の意見をアウトプットする習慣を作っていないと対応が難しいでしょう。
4.総括
【総合判定:英検1級の方が難しい】
総合的に見て、英検1級の方がTOEIC900点より確実に難しいと考えます。
一方、英検1級合格者は、TOEICの試験形式に慣れてしまえば、簡単にTOEIC900点を超えてくることと思います。
まとめ
まとめになります。
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)という客観的な指標を用いた場合のTOEIC・英検の対応は次の通りになります。
また、私の経験と個人的な見解を踏まえると次の通りになると考えています。
私はまだ英検1級に実際に挑戦したことがなく、この記事のために過去問を解いてみましたが、やはり英検1級は難しかったです。
ある程度の時間が確保できたら、単語を中心に対策を行い、英検1級にチャレンジしてみたいと思っています。